ガールフレンド#(2)
俺はどうやらおしゃべりらしい。余計なことを言うらしい。周りに言われて気づいた。自覚は全くない。
正直な話しかしないし、嘘は言ってないし、何がいけないんだろう?って感じでケロッとしていても、この世界には読まなければいけないルールがあるらしくて、明記していないルールをいちいち確認していたら一歩も前に進めない。
嘘をつかなければオールオッケーじゃんっていうと「お前はまだまだ子供だな」と言われて、
「改善点はどこですか?」って率直に質問したら上司がキレやがった。意味がわかんない。
海外に戻りたいかって別にそういう話でもないんだけど、一歩踏み込むたびに足の運びが違うって言われることに疲れてしまっている。
うちの連中は話し合いたいことと、流しても支障がないことと、共有したいことを自分で決断できるから気が楽だった。決定権を相手に委ねて文句いうやつとは人生共にしたくないんでね、友達は選びます。
さすがに毎日同じメンバーといることに飽きてきたから、出会いが欲しくて久しぶりにナンパしてみた。いやあ、引っかかるには引っかかるんだけど、品質が悪いw
ひっかけておいて申し訳ないけど、直前でお断りを繰り返している。
この間、どうもひっかかりが悪い日があった。先々週の土曜だったかな。
俺にしては勝率が悪すぎる。
通りの向こうに髪の長いイカつい女が逆ナンパしてた。ハイヒールにデニム、ライダースジャケットの女。なんだよ、商売敵かよと思ったけど、向こうは男を引っ掛けているんだから商売敵でもないかと冷静になってタバコに火をつけてその女の行動を見ていた。
逆ナンパ、うますぎなんだよ!
百戦錬磨かってくらいにうますぎた。
高そうで、騙されそうで、賢そうなぎりぎりのラインに狙い定めて2分で落としていった。
鮮やかすぎたよ、本当に。
先週も今週もその女見たさに現場に行った。相変わらず百戦錬磨だった。一番いいところを狙い定めて鮮やかに釣っていく。
俺は俺を試したくなって、女をナンパしてみた。
そしたらさ、女は顔を真っ赤にして逃げていったんだ。
笑ったね、あれは。責められると怖くなっちゃうタイプ。
また来週も会えるかな。あんなのが日本にもいたなんて。世界は広いねw
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