ターミナル#(2)


マイノリティ的な話はなんかサブカルに分類されるのがこの国あるあるだなって思う。

困ってないんだなあって思う。マイノリティって言葉はエミネムが使ってたって、少数派というちょっとネガティブな匂いがするのに、この国のマイノリティはクリエイティブな的な意味を感じる。

俺の考え過ぎかもしれないけれど。

打ちひしがれて帰ってきたのに、日本にいると変に亜種な気がしている。

英語を話すと「日本人の顔してなんでわざわざ英語話すの?」と嫌味を言われたことがある。いや、長く英語圏にいたらふつうに英語が出るでしょう。


うちらには溜まり場になっているオフィスがあって、ここがまた気分がいい。バカがいないからね。仕事に集中している人ばかりだから、ちょっと話しかけてもサラッと流してくれるし。女の人も男の人も詳しく何をしているか知らないけど、会えば「おはよう」とか「こんばんは」とか「お疲れさま」とか言いあうような、すごくいやすい場所。


少し前に、二週間、韓国に短期留学に行ってきたんだけど、その時に知り合ったやつもたまたまこのオフィスにいてさらにいやすい場所になった。

変な日本人だねって言ったら「よくわからない」っていうし、君はこの国でマイノリティ感じる?って聞いたら「他人のことはわかりかねます」っていう子。

国籍は韓国らしい。でも日本に永住したいんだって。どうして?って聞いたら「私は日本で生まれ育ったから、日本のほうが知り合いがいるから」って。

生きずらいと思わない?って聞いたら、また言うんだ「よくわからないわ」って。

真意はわからない。俺たちはまだそんなに仲がいいわけじゃないから、それなりの距離感を保つために言っているだけなのかもしれない。

ケアンズの話は興味深そうに色々質問してくるくせに、俺が何者なのかってことにはほとんど無頓着、「何歳?」って質問すらされたことがない。

なんだあいつって感じ。

日曜、俺は教会に行く。

英語が話せるから。

信仰?そんなものない。

まだ、なのか、未来永劫なのかわかんないけどね。

明日、またあの子に会えるかな、、、、

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